タバコの害

ー目覚めよ日本ー

●発がん性
タバコの煙には約60種類の発がん性物質が含まれていますが、それらは有害な活性酸
素を発生します。喫煙によって体内に活性酸素が多量に発生すると、細胞核の中にあ
るがん遺伝子や、がん抑制遺伝子、修復遺伝子がどんどん傷つけられ変異を引き起こ
します。発がん性物質は特にがん抑制遺伝子に襲いかかり歯止めを外すと、がん遺伝
子の思うがままになります。喫煙は「早く芽を出せがん細胞」というがん作りの習癖
です。
男性のがん死のNo.1は肺がんです。喫煙の寄与度は90%と言われております。20歳か
ら毎日1日20本の喫煙者は6人に1人が60歳までに肺がんで死亡と国立がんセンターが
発表しております。その他、脳腫瘍、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、胃がん、肝臓
がん、膵臓がん、膀胱がん、前立腺がん、子宮がん、乳がん、白血病等、全ての悪性
腫瘍にタバコは作用しております。

ブリンクマン指数
発がんの時期の目安になる指標
1日20本の喫煙者の場合で30年間の喫煙歴だと20×30で600となりますが、400を超え
ると危険というものです。800だと極めて危険となります。

臓器に特異的に作用する発がん性物質
・4-aminobiphenil:膀胱癌
・砒素:肺癌、リンパ系癌
・benz(α)pyren:肺癌
・1,3butadiene:造血器の癌
・カドミウム:前立腺、血液、肺の癌
・6価クロム:肺癌
・ホルムアルデヒド:鼻腔癌
・βナフチルアミン:膀胱癌
・210ポロニウム(放射性物質):肺癌
・塩化ビニル:肝癌
・シアン化ビニル:脳腫瘍、肺癌、腸癌


●一酸化炭素の害
1、動脈硬化の原因に
コレステロールのうち悪玉コレステロールは喫煙によって酸化コレステロールとな
り、血管の内皮細胞に取り込まれ、白血球がそこに集まりそれを自らにくわえ込み死
滅し、その蓄積で血管の内腔が狭くなり血管が詰まりやすい状態になります。これを
動脈硬化といいます。また喫煙は血液が粘り血が詰まりやすい状態にもさせており、
いろいろな条件が重なって完全に詰まると、心筋梗塞や脳梗塞、下肢の壊疽・脱疽を
引き起こします。喫煙は血管の老化を促進しているのです。痴呆症や難聴や視力の低
下も導きます。
2、身体は酸素不足
タバコの煙には多量の一酸化炭素が含まれています。肺に入ると血液中の赤血球は酸
素を取り込むはずが、強い結合力の強い一酸化炭素によってによって酸素はおいやら
れ一酸化炭素が先にくっつため、血液は慢性の酸素不足に陥ることになります。この
ため運動能力は低下し強い持続的な運動ができなくなります。スポーツ選手にとって
はタバコは敵なのです。
3、活性酸素を生み出す

●ニコチンの害
1、血管収縮
ニコチンは抗不安作用のあるセロトニン、幸せな気分にさせるドーパミン、血管収縮
と血圧上昇や興奮作用のあるアドレナリンを生じさせます。セロトニン・ドーパミン
の作用で多くの人はタバコがやめられなくなります。アドレナリンは末梢血管の血流
を悪くします。喫煙した手の皮膚温度や脳内の温度が下がることで証明されます。一
酸化炭素と相乗して、脳、歯ぐき、卵巣、精巣、胎盤、胎児、胃十二指腸粘膜、網膜
の酸素・栄養不足を招きそれぞれの働きが低下します。痴呆症、歯周病、エストロー
ゲンの低下による生理不順・不妊症・早期閉経・声の男性化、性的能力の減退、早流
産、低体重児、胃潰瘍、視力障害などなどの原因になります。高血圧症や糖尿病にも
悪影響を与えます。
2、依存症
ニコチンの忌まわしい作用に脳内で生じるドーパミンによる依存症があります。程度
に個人差がありますが、喫煙習慣が身につくと麻薬と同じように簡単にはやめられな
くなります。とくに未成年者・若年者の喫煙は依存度をより強めタバコの虜になり、
早い年齢で病気に襲われたり長生きできないことになります。肺がんも10年から15年
早くやってきます。働き盛りで倒れては残された家族は不幸です。
猿やマウスの実験でもニコチンを覚えると繰り返し求めるようになり、猿はタバコを
吸うようになります。

●ビタミンC不足
βカロチンとビタミンCは活性酸素の力を弱めるように作用(抗がん作用)するため
消耗します。特にビタミンCの消耗は著しく、タバコ1本で25ミリグラム、20本だと
500ミリグラムのビタミンCを消費します。身体に蓄えたれているビタミンCは約
1500ミリグラムですから三分の一が消費され、充分に補わなければ慢性のビタミン
C不足になります。この結果、皮下のコラーゲンが萎縮したり変性したりして失われ
シワっぽくなったり、はりが失われたり、肌の色が浅黒くなったりの皮膚老化を招き
ます。女性にとっては一大事です。

●免疫の力が低下ー感染症やがんにー
生体の防衛に働く白血球やリンパ球にはビタミンCが必要です。喫煙はこれを著しく
低下させるので慢性のビタミンC不足になり、細菌やウイルスによる肺炎、気管支
炎、胆嚢炎、虫垂炎、皮膚化膿性疾患、痔瘻(肛門周囲膿瘍)、カゼ、インフルエン
ザなどにかかりやすくなります。
また、アドレナリンが出ることによりキラーT細胞というリンパ球の力がおちて、が
ん細胞への攻撃力が弱くなってがん化を助けることになります。

●奇形の問題
赤ちゃんの口蓋裂や口唇裂の奇形の要因になります。口蓋裂を生んだ16歳から19歳ま
での母親の約70%はタバコを吸っていた。本数が増えるほど顔面に障害を持つ子ども
を産む確率が高くなります。また、生まれた子どもが口蓋裂や唇顎口蓋裂であった女
性の42.1%が妊娠第一期に喫煙しており、子どもに顔面障害がなかった母親の中の喫
煙率は23.1%という報告があります(WHOプロジェクト)。妊娠初期の喫煙は危険で
す!


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