学校敷地内禁煙について


新居浜市の船木中学校を皮切りに学校の敷地内を禁煙にしようという意識が高まってきました。模範となるべ
き教師が子どもたちに喫煙する姿を見せない、子どもたちに受動喫煙をさせないというのが目的です。2004年
の世界禁煙デーから県立学校では敷地内禁煙になることが決定しています。野本俊二県教育長は市町村立学
校にも倣って欲しいと要請していますが、態度を曖昧にしている学校が大半です。

2003年春に県教育長宛に送った提言書です。
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愛媛県下学校敷地内禁煙化への提言書
                
                 日本小児科医会愛媛県支部 会長 真鍋豊彦
                 日本小児科学会愛媛県地方会 会長 貴田嘉一
                 日本小児保健協会愛媛支部 会長 貴田嘉一


貴下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。昨今の未成年者の喫煙率の上昇は誠に憂慮する事態にな
っております。成人に比べて未成年者、それも年齢が低い程容易にニコチン依存症になりやすく、また将来ガ
ンや心筋梗塞などの生活習慣病に罹患する確率が高くなっていくことは既に証明されています。それにもかか
わらず、氾濫したタバコの広告や自動販売機の設置により子ども達は容易にタバコを手に入れることができる
ようになっています。
抵抗なく喫煙を始める理由の一つに親や教師が喫煙をしていることが挙げられます。タバコの害を教えるべき
学校現場で教師が喫煙をしている姿をみれば、子ども達は喫煙を仕方がないものと肯定的に受け止めると思
います。学校敷地内を禁煙にしている学校の生徒の喫煙率は9.5%、喫煙対策をとってない学校の生徒の喫煙
率は30.1%、中間的な対策をとっている学校では21.0%という外国のデータもあります。子ども達を喫煙教師や喫
煙来校者からの受動喫煙から守る為に、また子ども達に喫煙をさせない為に、さらに教師の意識改革の為にも
学校の敷地内禁煙化を全県的に実施することが必要であると思われます。これは校舎内の完全禁煙という中
途半端なものではなく、あくまでも学校敷地内を完全禁煙にすることによってこそ効果的になるものと考えられ
ます。
昨年4月から和歌山県のすべての公立学校では敷地内禁煙化が実施され教育界に大きなインパクトを与えまし
た。今年の4月からは茨城県がそれに続き、また自治体レベルで実施している学校も急増しています。このこと
は日本の教育界が喫煙問題に大いに関心を寄せてきていることの現れだと思います。実際に敷地内禁煙化を
実施した学校ではこれといったトラブルもなく、大変好評であると聞き及んでおります。
今年の5月からは健康増進法が施行され、学校など人の集まる場所では受動喫煙をさせてはならないと規定さ
れています。これからの日本の将来を担っていく子ども達をタバコの害から守り健全に育てていく為に、これを
機会に愛媛県でも県下すべての学校敷地内禁煙化を実施していただきたく提言をさせていただきます。
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茨城はまだだったですね。その後12月5日には県下の全小中学校の校長、教育長、PTA会長などにも県立学
校に倣うように3団体で要望書を提出しています。
以下の表に示しているのは要望書提出前のデータですから、現在はさらに進歩しているかもしれません。


愛媛県下の小中学校の状況(平成15年12月1日現在)
県下の学校
★敷地内完全
禁煙
★校舎内禁
分煙
小学校
369校
218校(59.1%)
109校(29.
5%)
42校(11.4%)
中学校
149校
74校(49.7%)
42校(28.2%)
33校(22.1%)
                               ★は既に実施及び今後実施予定の合計




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