タバコ農家の実情
葉たばこ(バーレー種)の栽培
葉たばこの花
葉たばこは、南米原産のナス科に属する作物で、葉を乾燥させて製品たばこの原料に使用します。世界各国で
栽培されている多くの葉たばこはニコチアナ・タバカム種(Nicotiana tabacum)に属するものです。日本では東
北から九州・沖縄までほとんどの府県で栽培されています。
栽培期間中(7月上〜中旬)、薄いピンク色の花が咲きますが、結実させると栄養分や水分が使われるため、
採種用栽培以外は花を切除します。
日本で栽培されている葉たばこは、「バーレー種」、「在来種」、「黄色種」の3種類に大別されます。たばこ原料
としては、バーレー種はチョコレートのような独特な香り、在来種は緩和な喫味、黄色種は甘みのある香りが特
徴です。
14年産収穫面積(全国)における種類別割合は、黄色種が約7割、バーレー種が3割を占め、在来種はわずか
に1%です。黄色種は関東から九州地域にかけて栽培され、バーレー種は主に東北地域で栽培されています。
原料葉たばこの輸入や専売公社の民営化、消費の低迷などによる減反措置のため減少傾向にあります。
近年は機械化や共同乾燥施設の設置等により省力化が図られ、大規模経営農家もでてきました。JTからの
買取価格も低下しているのが現状で、葉たばこ生産による疾患のことも考慮すると割りの合わない産業だと考
えられます。政府は転作を奨励するように働きかけるべきだと思います。
禁煙運動に強硬に反対しているのは、葉たばこ農家よりもタバコ販売業者達です。
■葉たばこの耕作面積、耕作人員、買入数量の推移
(JTホームページより)
区分 |
耕作面積(千
ha) |
耕作人員(千
人) |
買入数量(千
トン) |
1990
年 |
30 |
42 |
80 |
1991
年 |
29 |
39 |
69 |
1992
年 |
27 |
35 |
79 |
1993
年 |
27 |
33 |
67 |
1994
年 |
26 |
32 |
79 |
1995
年 |
26 |
30 |
70 |
1996
年 |
26 |
28 |
66 |
1997
年 |
25 |
27 |
68 |
1998
年 |
25 |
25 |
63 |
1999
年 |
24 |
24 |
64 |
2000
年 |
24 |
23 |
60 |
2001
年 |
23 |
20 |
58 |
※耕作人員数は契約人員数を示す
■日本各県の葉たばこ生産量 (トン)
2001年の全国の総生産量6万803トン
1
|
宮崎
|
7124
|
6
|
福島
|
4119
|
2
|
鹿児島
|
6103
|
7
|
長崎
|
2999
|
3
|
熊本
|
5757
|
8
|
茨城
|
2903
|
4
|
岩手
|
5229
|
9
|
沖縄
|
2522
|
5
|
青森
|
4204
|
10
|
新潟
|
2514
|
■世界の葉たばこ生産量(万トン)
2001年世界総生産量634.7万トン
1
|
中国
|
230.3
|
9
|
イタリア
|
12.5
|
2
|
インド
|
61.0
|
10
|
パキスタン
|
10.3
|
3
|
ブラジル
|
56.5
|
11
|
アルゼンチン
|
10.1
|
4
|
アメリカ
|
45.4
|
12
|
マラウイ
|
10.0
|
5
|
ジンバブエ
|
17.5
|
13
|
タイ
|
7.4
|
6
|
トルコ
|
17.0
|
14
|
北朝鮮
|
6.3
|
7
|
インドネシア
|
13.4
|
15
|
日本
|
6.2
|
8
|
ギリシャ
|
12.5
|
16
|
カナダ
|
5.8
|
引用:財団法人 矢野恒太記念会発行 2002/03 世界国勢図会第13版
世界のタバコ会社の規模
フィリップモリス(現アルトリア・グループ)、JT、BAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)の順
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